アルファベットや略号の覚え方
(イメージ変換の工夫)
記憶術ではどんな事柄でも視覚的なイメージを描いて覚えますが、アルファベットや
略号はどのようにしてイメージ化するのでしょうか?
まずはアルファベットですが、これは小学生向けの英語の初歩を思い出してください。「Aは Ant、Bは Bee、C は Cat、D は Desk……Z は Zoo」というような要領で、真っ先に思いつく親しみやすい動物や物の名前を当てればよいのです。
次に「NATO」などの略号ですが、これは英語の勉強も兼ねて「North Atlantic Treaty Organization=北大西洋条約機構」と正式名で覚えるのが正攻法かもしれま
せん。でも、NATO 程度ならそれで済みますが、PTBT=Partial Test Ban Treaty(部分的核実験禁止条約)など、いろいろな略号が並ぶと、一つ一つはやさしい英語でも手に負えなくなります。そこで後に示すように、いろいろな変換テクニック
を駆使して、記憶術がスムーズに使えるようにイメージ化します。
アルファベット記号のイメージ化
〔例題1〕 ビタミンの主な欠乏症を覚える
①ビタミン A 夜盲症、角膜乾燥症 ②ビタミン B 脚気(かっけ) ③ビタミン B1 口内炎、口唇炎 ④ビタミン B2 口内炎、口唇炎 ⑤ビタミン B6 皮膚炎、手足のしびれ ⑥ビタミン B12 悪性貧血 ⑦ビタミン C 壊血病 ⑧ビタミン D くる病、骨や歯の発育不全 ⑨ビタミン E 溶血性貧血 ⑩ビタミン K 頭蓋内出血、血が止まりにくくなる ⑪ナイアシン 血圧降下、服腎機能低下 ⑫パントテン酸 ざらざらした皮膚炎 ⑬葉酸 大赤血球性貧血 ⑭ビオチン 皮膚炎 |
●ビタミン名のイメージ変換例
ビタミン A・C・D・E・K はアルファベットを英単語に変換、ビタミン B は末尾 を数字変換、その他のビタミン(B 群)はゴロ合わせによるイメージ変換をします。
・A→Ant ・B→Bee ・C→Cat ・D→Dog ・E→Egg ・K→King ・B1→ろうそく(数字の形=以下同様) ・B2→白鳥
・B6→カタツムリ ・B12→皮膚 ・ナイアシン→内藤さん
・パントテン酸→パンツ ・葉酸→養蚕(葉っぱを食べるカイコ)
・ビオチン→美オチン
●イメージ連結の例
①A:(巨大な)ant に目をなめられ、夜盲症になった。
さらに、目の角膜が乾燥した。
②B1:大きなろうそくで強くひざをたたいたが、反応がない!脚気だ。
③B2:白鳥とキスをしたら、口内炎と口唇炎ができた。
④B6:巨大カタツムリが背中をはい回り、皮膚炎になった。
⑤B12:皮膚が真っ青になり、血が溶け出して溶血性貧血になった。
⑥C:Cat がばったり倒れて、血のボールが壊れた(壊血病)。
⑦D:Dog が狂った(くる病)ように踊り、骨と歯が発育不全になった。
(…以下略)
略号イメージ化のヒント
〔例題2〕 核兵器と軍縮〈時事用語〉
①PTBT―部分的核実験停止条約(地下実験は禁止せず) ②NPT―核拡散防止条約 ③SALT―戦略兵器制限条約(ミサイルなどの製造制限) ④INF 全廃条約―中距離核戦力 ⑤START―戦略兵器削減条約(戦略核弾頭数の削減) ⑥CTBT―包括的核実験禁止条約(地下核実験も禁止) ※年代の古い順 |
●アルファベット略号の変換例=頭文字連結法など
〔ヒント〕 START と SALT はそのまま英単語のイメージ。その他は母音を補 って英語(またはカタカナ語)を作り
・NPT→ネプチューン ・SALT→塩(をまく)
・INF→I’ll Never Fight. ・START→(陸上選手の)スタート
・CTBT→Cat-Bat(猫がバットを振り回す)
●イメージ連結の例
①巨大なペットボトルで地上にある核実験のボタンをふさいだ。
②ネプチューンが角ビン(核)を全部しまい込み、人に渡せないようにした。
※以下省略
ギリシャ文字のイメージ化(変換表をつくる)
物理や化学などの科目では、公式や物質名にギリシャ文字がよく出てきます。語呂合わせで覚えてもよいのですが、下の表のようなイメージ変換表を作っておくと便利です。ここでは文字の形から連想するイメージを基本に、語呂合わせを併用 して行います。
α アルファ | 金魚 | ν ニュー | 角 |
β ベータ | サングラス | ρ ロー | ろう人形 |
γ ガンマ | 噴水 | π パイ | (ピザ)パイ |
ε イプシロン | 唇(キス) | φ ファイ | ファイト! |
λ ラムダ | ランナー | ω オメガ | お尻 |
μ ミュー | ミュージカル | Ω オーム | オウム |